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G20の最新の声明は、フィンテックを繁栄させる














高いレバレッジでの不動産担保証券の貸付などの取引によって引き起こされた、世界的な金融危機の始まりの中、ベアー・スターンズが倒産して、先週で10周年になった。

 この出来事は今日の仮想経済を出現させることとなった。また、先週はG20会議が開かれ、ブロックチェーン技術とデジタル課税は、世界中の政府間組織、規制当局、議員、中央銀行からの大きな注目を集めた。アルゼンチン、ブエノスアイレスで開かれた会議で彼らは、それら技術の持つ経済安定性への影響、それらが脱税や違法行為のために使われる可能性について議論した。

 世界経済のリーダーたちは本会合で、ボーダレスで掴み所のない性格の仮想通貨とブロックチェーン技術が、国家間の経済関係を作り変えていること、それらがその自動認知タスクの能力を徐々に上げていることを確認した。G20は仮想通貨を資産と見なすことで合意し、仮想通貨を新しいデジタル資産として分類する道を開いた。また、安全性、消費者保護、金融犯罪など、仮想通貨に対する懸念を和らげるため、金融活動作業部会(FATF)のマネーロンダリング(資金洗浄)対策と、テロ資金供与規定を仮想通貨にも適応させるよう取り組み始めた。

 経済協力開発機構(OECD)の税源浸食と利益移転(BEPS)の枠組みを遵守するとともに、デジタル経済に対する課税の国際的な連携と利益配分(BEPS アクション1)を調査し、20年までに新しい方法を決定することで、113カ国が同意された。さらに今年7月を、仮想通貨規制に関する提案書提出期限に定めた。



欧州連合によって提案されたデジタル課税法案

 デジタル資産課税の最終的な決着が20年まで伸ばされた一方で、欧州委員会は、新しいデジタル税規則2案を提案した。これは理事会と欧州議会に提出され、協議される見通しだ。

 最初の法案では、EUの法人税法の改革が提案され、加盟国それぞれで創出されたデジタル利益に対して、企業がその国に物理的に存在していないとしても、課税できるようになることを提案した。

 次のいずれかの条件を満たしている場合、加盟国内のデジタル・プラットフォームは、デジタル・プレゼンスもしくは、仮想恒久的施設として課税対象ネクサスと見なされる。その条件は◇一年の収益が700万ユーロを超える◇課税年度に10万人以上のユーザーがいる◇課税年度に、企業とビジネスユーザーとの間のデジタルサービスの契約が3000件を超えるーー。

 この提案は、OECDモデル租税条約に定義されている物理的存在ネクサステストとは異なる、インターネット「クッキー」によるネクサスの概念に類似している。

 2番目の提案は、EU内外で年間7億5000万ユーロ(約986億円)、そしてEU内で5000万ユーロの収益を何らかのデジタル資産で出している企業に対して、3%の一時的な暫定税を課すことを提案している。このデジタル資産は、オンライン広告スペースを売却したり、ユーザーと他のユーザーとの交流、商品やサービス販売の管理、ユーザーによって提供された情報の売却などの仲介などを通して創出された資産を指す。この暫定税は、OECDが長期的な税案について合意に至り次第廃止される。



仮想資産融資会社の登場

 OECD、EU、そしてG20のフィンテックに対して友好的な声明と、機関投資家からの仮想資産に対する関心が増大したことで、新しいタイプのフィンテック・ビジネスである仮想資産融資が世界中で誕生した。

 これは、ミューチュアル・ファンドや年金基金、保険会社、上場投資信託、そしてソブリン・ウエルス・ファンドなどの機関投資家の長期保有株を利用する証券貸付によく似ている。遊んでいる株を一時的に担保ベースの融資として使い、現金は、手堅い幾らかの見返りが見込める短期投資に使うのだ。

 ヘッジファンドなどの借り手は、ショートポジションをカバーしたり、ポジションをヘッジしたり、裁定取引で儲けを得たりすることに、証券を使う。彼らは、通常証券の市場価値の102〜105%である証券を担保として掲示し、株式、同種の株式および同額の有価証券を返済すること、その間に支払われる配当を補償する約束をする。もし株が流動的で、借りやすい場合、貸し手はその協力に対して、幾らかの手数料を受け取り、担保で得られた利子の同意済みの割合を保持し続ける。

 90〜00年代に、グローバル証券市場の拡大とヘッジファンドによる空売りの急速な増加は、証券融資の需要を広げた。07年には、いくつもの融資プログラムを通して、推定5.5兆ドル相当の証券が貸し出されていた。しかし、証券の価格が暴落した金融危機の最中、有価証券貸付代理店の広範囲にわたる濫用が見つかり、機関投資家は悲惨な損失を被った。

 ヘッジファンドなどの仮想資産所有者やマイナーからの市場の需要は、様々な種類の仮想資産融資ビジネスを生み出してきた。その中には、6.3兆ドルを管理下に置く米国のミューチュアル・ファンドの大手フィデリティ・インベストメンツもある。彼らが仮想マイニング・ビジネスに参入した理由は、企業の責任者によると、「ビットコインとブロックチェーン技術の革命が、投資業界を混乱に陥れているのが分かった」からだ。

 いくつかの仮想資産融資会社は、その会社の会員となるためにトークンを購入した投資家に対して、法定通貨のローンも提供している。このローンは、信用調査や過度な書類記入を行わない代わりに、非常に高額になっている。借り手は、法定通貨ローンが10%〜25%の金利で発行されるため、200%の仮想資産を担保に入れる。他の企業は、ピア・ツー・ピアの融資会社であり、プラットフォームは貸し手と借り手をつなぎ、手数料を受け取る。

 ブロックチェーン技術によって機能し、詐欺を少なくするために設計された仮想資産融資企業は、スマートコントラクトを通して金利の支払いが自動化されたローンを提供する道を探っている。それでもなお、これらの企業は他の証券融資会社などが抱えているものと似たリスクをはらんでいる。



仮想資産査定

 ローンの際の担保となる仮想資産の価値は、トークン発行会社の財務実績だけでなく、非常に変わり易く、流動的になり得る仮想通貨またトークンの需要に基づいて決定される。異なる取引所が同じ仮想通貨を違った値段で取引しているため、現在のところ、仮想資産価値を決める標準化された方法はない。これは仮想資産融資会社のマージンコールモニタリングの実施を困難にさせる。



ブロックチェーン技術

 仮想資産融資会社は、イーサリアム(ETH)またはビットコイン(BTC)プラットフォーム上で構築されている。これらの発展は未だ初期段階にあり、その技術の応用は実験的なものである。これらのプラットフォームはコンピュータウイルス、物理的及び電子的な強盗や攻撃、ハッキングやハードフォークなどの混乱要因に対して脆弱性を持っている。





規制と税金

 国際的な規制当局、議員、そして中央銀行員は、18年7月までに、仮想資産のための有効なマネーロンダリング(AML)/本人認証(KYC)規制を案出しようとしている。それが仮想資産における担保権の登録と次の期限までの倒産法下での扱いに関わるため、彼らが国境間の仮想資産融資取引に対する規制を、共同的な手法で行うかどうかは未定である。

 さらに、国税庁(IRS)の仮想資産課税のガイダンスには、仮想資産ローンやハードフォークについての明記がないことは、留意すべきである。IRSが仮想資産貸出取引や納税成立案件としてハードフォークを扱う場合、その結果として生じる税務上の義務と、税務申告書を提出できなかった場合の罰金は、仮想資産貸付をより高価にする可能性がある。海外のヘッジファンドを含む借り手は、仮想資産融資取引についての不確定なアメリカの租税処理を考慮に入れ、必要に応じて、18年9月までの終了までにIRSの海外資産自主開示プログラムを活用することが求められる。IRSは、3月23日、納税者がバーチャル通貨取引について報告する義務があり、それを果たさない場合は、不履行に対する民事、及び刑事処罰を受けることになると、念を押した。

https://jp.cointelegraph.com/news/latest-pronouncements-from-oecd-eu-g20-allow-fintech-to-flourish-expert-take









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